2013年 04月 30日
『今ひとたびの修羅』
27日マチネ
新国立劇場 中劇場
後ろのほうだったのですが、とても見やすかったです。段差がしっかりあるし、そんなに広くなくて、いい劇場だなと思いました。
さて、舞台は二つのやくざ一家の抗争から始まります。
そこへ助っ人に入った飛車角(堤さん)の立ち回りやたたずまいが、なんてかっこいいこと!
薄青の着流し姿が素敵でした。
主人公が見栄を切り、『今ひとたびの修羅』のタイトルがバーンと降りてくるところは、いのうえさんの演出だなあ、新感線ぽいなあと。
飛車角は助っ人に入った争い事がきっかけで、3年間刑務所に入ることに。
待っていてくれといって置いていったのが、女房のおとよ(宮沢りえ)。
飛車角を愛していながらも、いつも誰かにそばにいてもらわないとダメな女であるおとよは、
3年の間に、飛車角の弟分と通じてしまいます。
だけど、やはり飛車角のことをわすれられない・・・・。
二人の愛憎劇だけでなく、それをとりまく男女の、言ってしまえば思い切り人情芝居なんですけど、
どんどん入れ交わるセットも豪華なら、役者さんもとっても豪華。
クサイといえば、とってもクサイお話なんだけど、観ていて涙もでるほどに、
登場人物の気持ちに引き込まれてしまって。
お互いに思い合っているのに、素直になれないもどかしさ。
あるよね~。
人生そんなにスムーズにうまくいかないもんでしょと。
だけど、やっぱり最後はハッピーエンドがいいので、うん、満足。
男に古臭いほどの仁義があるのもいい。
花びらが舞い散る中、舞台奥に歩いていくおとよとか、桜吹雪(?)のなか、抱き合うラストシーンとか。
一つ一つのシーンが絵になるなあと思いました。素敵な舞台でした。
りえちゃんの美しさったら・・・。
小池栄子さんも相変わらず、いい演技なさるわ~。
今回は、風間杜夫さんね、やっぱり。
堤さんをも圧倒するラスト近くの存在感。涙を誘われましたし、う~ん。主役ってあなたでしたっけ!!と思うほどの
親分さんでした。
浅野和之さんもいい味出してました。さすがです。それにしても、先生、服がぼろぼろ(笑)
でもね、やっぱり堤さんに尽きるでしょう!
オールバックの髪に、着流し。
ものすごく昔堅気の渡世人の役が、似合って似合って!!
おとよを思ってせつなげなのも、たいへんよく。
いのうえさんたら、堤さんがかっこよく見える役をよ~くわかってらっしゃる。
蜉蝣峠のあっぱれさんとはまた違ういい男ぶりでした。
素敵だった~♪♪
by kurocham
| 2013-04-30 22:59
| 舞台