2008年 12月 18日
安らかに・・・・
腰が曲がってはいましたが、90を超えているとは思えないほど、ぴんしゃんとしていた祖母。
若い頃に夫を亡くして、3人の子どもを女手ひとつで育て上げました。
けして豊かとはいえなかった生活の中で、それぞれの子どもたちにとコツコツと貯めたであろう、旧札や昔の硬貨がたくさん遺されていました。
高齢になっても、蓄えた貯蓄は孫の結婚祝いなどでど~んと使うということはあっても、
自分は靴下や下着を繕っては身に着けるなど、本当につつましく、自分のことで贅沢はしない祖母でした。
数年前に、物忘れが多くなったりしたことに気づいた祖母は、すべての蓄えをポンと
長男である夫の父に渡したそうです。
なんて潔いんだろうと、その話を聞いたときに思いました。
気丈で、頑固なところもありましたが、とてもとても愛情深く、
孫たちやひ孫である私の息子たちを、それはそれは可愛がってくれました。
大往生といってもよい年齢。
眠るような静かな最期だったそうです。
お義父さんはこれで本当に一人になってしまい、心配ですが、
祖母が一年前に倒れてから、毎日夕食の世話をしに、介護施設に通っていた大変さを思うと、
正直ほっとする思いがあります。
義母が亡くなるのと同時期でしたから、義父は心の休まる暇がなかったことと思うので。
もちろん悲しいことに変わりはないのですが、同時に肩の荷が下りたような思いもあり、
お義母さんを亡くしたときのような辛さよりも、ほっとしたと言う思いがあるとそうです。
それもよくわかります。
この一年、どんなにか辛かったと思いますもの。
でも、お通夜でお酒を飲みながら、
「残される辛さを、お義母さんに味あわせなくてよかった。」と言っていたそう。
なんて男らしく優しいのだろうと思いました。
亡くなった祖母も義父も古風なところがあり、古きよき時代の日本のひとの
美点を持っているなあと思うことがあります。今回もまさにそうでした。
お祖母ちゃんの冥福をお祈りしたいと思います。
そしてお義父さんが、早く元気になりますように。
by kurocham
| 2008-12-18 02:04
| くらし