2009年 01月 21日
『魔王』
伊坂 幸太郎 著
書店に並んでいた『モダンタイムス』が読みたいと思って。
こちらの続編だということなので、これを先に読みました。
表題作『魔王』と、その5年後を描いた『呼吸』を収録しています。
「考えろマクガイバー」と自分に言い聞かせ、いつもいろいろなことを深く考えて理屈っぽいといわれる兄と、のほほんとしているようで、鋭いところもある弟。
兄はある日、自分が心の中で行ったことを別の人物に言わせる能力が備わったことに気付く。
圧倒的なカリスマ性で、世の中の注目を集める政治家が、国を危うい方向へ導こうとしていると感じ、兄は政治家を止めようと、彼のもとへ向かう・・・。
今の世の中を思わせるような政治的な背景が描かれていて、読んでいて危機感を感じてしまいます。まったくの絵空事に思えないところが怖い。
何か大きな変化をさせようと思うとき、利口な政治家ならほんの少しの変化にする。初めは世間やマスコミは大騒ぎするけれど、何度も反対し続けることはできない。
一度敗北すると、そのあと決まったことにつけ足して変えられたって、またかと思って、
もう黙って受け入れるのだというようなことが書いてあって、なるほどなと思い、そして怖いと思った。
本の中では、その『変化』というのは、憲法9条や自衛隊派兵のことなのだけど、
現実に起こりそうで、とても嫌だ。騙されない国民になりたい。でもそれって、難しいのかな。
続編があるときの前篇のような感じで、本は終わってしまうので、
早く『モダンタイムス』を読みたいです!
書店に並んでいた『モダンタイムス』が読みたいと思って。
こちらの続編だということなので、これを先に読みました。
表題作『魔王』と、その5年後を描いた『呼吸』を収録しています。
「考えろマクガイバー」と自分に言い聞かせ、いつもいろいろなことを深く考えて理屈っぽいといわれる兄と、のほほんとしているようで、鋭いところもある弟。
兄はある日、自分が心の中で行ったことを別の人物に言わせる能力が備わったことに気付く。
圧倒的なカリスマ性で、世の中の注目を集める政治家が、国を危うい方向へ導こうとしていると感じ、兄は政治家を止めようと、彼のもとへ向かう・・・。
今の世の中を思わせるような政治的な背景が描かれていて、読んでいて危機感を感じてしまいます。まったくの絵空事に思えないところが怖い。
何か大きな変化をさせようと思うとき、利口な政治家ならほんの少しの変化にする。初めは世間やマスコミは大騒ぎするけれど、何度も反対し続けることはできない。
一度敗北すると、そのあと決まったことにつけ足して変えられたって、またかと思って、
もう黙って受け入れるのだというようなことが書いてあって、なるほどなと思い、そして怖いと思った。
本の中では、その『変化』というのは、憲法9条や自衛隊派兵のことなのだけど、
現実に起こりそうで、とても嫌だ。騙されない国民になりたい。でもそれって、難しいのかな。
続編があるときの前篇のような感じで、本は終わってしまうので、
早く『モダンタイムス』を読みたいです!
by kurocham
| 2009-01-21 23:47
| 本